模倣の美化&盗作
パブロ・ピカソ
”凡人は真似をし、天才は盗む” パブロ・ピカソの言葉
ピカソは、多くの他の画家の作品を模倣してきた。
キュビズムは、写真が生まれたことで、絵画の存在意義を考え、生まれた画法という。
セザンヌが、写真では表現できない画法として始め、影響を受けたピカソとブラックにより創始されました。
更に、マティスが”緑のふちのマティス夫人”を描いてすぐ、ピカソが”アビニョンの娘たち”を描いたようです。キュビズムとは?ピカソ,セザンヌの代表作で簡単に解説。ブラックも | 画家 佐藤功 (isaosato.net)
この画家佐藤氏のブログに詳細にセザンヌの作品”リンゴとオレンジ”で、キュビズムに影響を与えた、様々な視点を絵の中に表現する画法を説明されています。ピカソは、様々な視点と表情の異なる顔を一人のものの中に表現することにヒントを得ています。そして、二人は視点を変えただけなのに対して、形状をも変えてしまうキュビズムにたどり着いたのです。これが、ピカソの言う、”天才は盗む”という事のようです。
盗むとは、ヒントを得て更に創造していくことをピカソは意味しています。
写実では、写真で事が済むのではないか、じゃあどうする?で多視点を一枚に表現するという試みを始めたのが、セザンヌとマティス。ここに至る創造力とここからキュビズムに至る創造力をどう考えるか。
素人の私見として、実は、キュビズムの作品に心打たれた経験がありません。初めてピカソの作品に心打たれたのは、南フランスのアンティープにあるピカソ美術館(ピカソ美術館 (アンティーブ) )を訪ねた時でした。そこには、”ゲルニカ”も”アビニョンの娘たち”もありません。ただ、とてもシンプルな陶芸作品が展示されていました。その美術館にいる間、幸せに包まれているような感覚がありました。人は、ピカソ作品に強いエネルギーを感じるといいます。多くの作品をみてきて、初めて彼の持つエネルギーの強さをそこで感じました。”ゲルニカ”に感じるであろう悲しみや怒りのエネルギーではなく幸福のエネルギーを。模倣は、感動を生まないのかもしれません。身もふたもないですが。
エジソン
”1%のひらめきと99%の努力”
エジソンは、発明家というより技術者だったのではないでしょうか。発明品を製品化までもっていく技術力は高いものがあります。しかし、発明をしたのでしょうか。発明を名乗るのであれば、盗作と言ってもいいのでは?
電球は、ジョセフ・スワンが発明しています。しかし実用化にはフィラメントの持続性が不足していました。そこでエジソンが採用したのが京都の竹。結果、製品化に成功しています。
電話は、グラハム・ベルが発明しています。一年遅れでエジソンも特許を出しましたが当然ベルは怒ります。結局、エジソンは製品化できなかったようです。
蓄電器は、エジソンの前にも、発明された方々がいました。違うのは、以前の人達は定電圧方式、エジソンは定電流方式。結局、現在は交流方式です。彼には、スポンサーに大富豪JPモルガンがついていたようです。それにより、ジェネラルエレクトリック社という大企業を成功に導き、名をはせるに至ったのかもしれません。お金の差ということ???
スティーブ・ジョブス
”人類がなし遂げてきた最高のものに触れ、それを自分の課題に取り込むということです。ピカソも、「優れた芸術家はまねる、偉大な芸術家は盗む」と言っています。我々は、偉大なアイデアをどん欲に盗んできました。”
(天才はアイデアを盗む。スティーブ・ジョブズに学ぶ商品開発の極意 – まぐまぐニュース! (mag2.com))
言わずと知れた、アップル創業者。世界初の商用パーソナルコンピュータ―”Mac”で成功を収めたのだが、発明したのはジョブスではなく、スティーヴン・ゲイリー・ウォズニアックだった。彼もまた、共同創業者なのですが、彼なくしてアップルの成功はなかったのです。また、iPhoneを発明したのは、アップルではなく、ノキアだったようです。
また、【アップルVS町工場訴訟】アップルの経営戦略に打撃必至! コア部品のサプライヤーは日本企業(1/2ページ) – 産経ニュース (sankei.com)
この記事には、部品供給会社である島野がアップルを告訴したことが記載されています。特許侵害で争っていました。アップルは、類似商品を他社に作らせ、コストカットを実施していました。残念ながら、裁判では敗訴しました。こういった裁判では大企業が圧倒的に有利なようです。本文の中に、これで倒産した企業もあると書かれています。高い技術を持つ日本の中小企業が採用されてすぐ、作業を動画にとられ、アップルはより安価な海外企業に製造依頼したことがありました。
エジソンも、ジョブスも、製品化し、事業として成功にもっていった運と能力は高く評価されるでしょう。しかし、模倣を悪用する点を無視し、単に天才と言われていることには納得できないものが残ります。言うなれば、盗作からなのですから。
これは、ノーベル賞にも言えることです(ノーベル賞DNAらせん構造発見者たちの嘘 )。発明者の名声までもコーディネーターがとってしまうのは解せないことです。コーディネーターとしての才能は認めますが。
日本の技術
バブルの頃から、日本の技術は中国韓国に流出していきました。グループごと引き抜かれた企業もあれば、社員たちが、週末アルバイトで渡るケースもありました。産業スパイもあったかもしれません。これを、黙ってみていたのが、企業であり国でした。7,8年前に退職された方が、中国から誘いがあったとのこと。日本企業で培った技術を中国で全て吐き出せということです。報酬も高く、それに誘われる日本人技術者も少なくないのは想像できます。時間とお金をかけて培った技術を、まんまと海外に流出させていることが、問題にはならないことが、不思議です。雇用契約の中に、技術の流出についての項目があるはずですが。
バブルの頃、新聞で見た話。少し笑ってしまいました。韓国企業が中国企業を告訴しました。すると、中国側は否定します。理由は、盗んだのは韓国企業ではなく日本企業の技術だと。それに対し、日本企業は”ああ、やっぱり”と。鉄鋼メーカーでしたが、簡単な技術が追い付かれるのは覚悟していたようです。しかし、この技術は相当高い技術。容易には追い付かれないと高を括っていたそうです。だから、やはりそうだったのかということのようです。その後、その日本企業が、韓国中国企業を訴えた話は聞かないのですが、どうなったのでしょうか?米国に日本政府が技術流出を見逃すように指示されていたとしても、不思議はないのですが。
中国は日本の技術を盗み切り、高みへ。今では有人飛行も達成しています。これは、ジョブスやエジソンとピカソのミックスでしょうか。
中国は、初めは盗作していました。部分的には、今もでしょう。そして、そこから創造していきました。今では、日本の技術を超えています。
そもそも、日本の文化は中国から来たものが多いのは周知のこと。学び、教え(勝手に盗んだのですが)、また学ぶ時が来たのかもしれません。互いに高めあう関係が築けるのなら、日本にとっても有益ではないでしょうか。今となっては、そう考えるしかないのですが。
農業問題の模倣は深刻
今も、日本の農家が品種改良を経て開発した高級品をまんまと盗まれ海外で生産される被害が出ています。こういうニュースを見るたび、盗みを天才というのはあまりにも都合がよくないかと、発明者の名誉は徹底的に守ってほしいと思います。
30年かけて開発したシャインマスカットが、勝手に海外で栽培されていました。100億円の損失だそうです。軍需産業や米国を儲けさせる戦争よりも、農家の権利を守る戦いはすべきでは。