効率化にはうっかり者が必要

ルールを守らないアリが餌までの近道を見つける

働かないアリに意義がある」を読んでいてアリと人間の共通点に気づきました。

アリというのは、エサを見つけたアリが他のアリに運搬の救援を頼むのですが、
地図を持っているわけではございませんので、巣から餌までの道は初めのアリがだした
フェロモンを伝っていくようです。

ところがですね、うっかり者というか、ちゃらんぽらんなアリがいる訳です。
フェロモンから外れた道を適当に歩いていくわけです。
それが、近道になっていたりするのです。
結果、効率をうむということなのです。

ノーベル賞の大発見に導いた、うっかり者の学生

導電性高分子の発見ということで、ノーベル賞を受賞した白川教授。
その発見につながった実験が、このうっかり者のおかげだったのです。
その学生が触媒の分量を間違えたことで、被膜ができ、それが、フィルム状の
ポリアセチレンの作成へとつながり、そのフィルムに光沢があったことから、導電性が
推測され、ポリアセチレンの導電性が確認されたということなのです。

ノーベル賞を受賞することはできませんでしたが、この発見の功労者は、
此のうっかり者なのです。いや、流石にすべてではないですが。

実は、この材料系の研究には、よくある話で、迂闊が発見につながることは
珍しくないのです。
適当な研究者が、うっかり銅をビーカーに垂らしてしまって、大発見とかあったのです。

結構、私の周辺の博士たちは几帳面で、テーマが始まったばかりでも、
例えば、わかりやすく言うと、10cm四方の板にペンキを塗り、まだ濡れている板を、
ペンキが塗られた面積と重さを1mm単位1μgでデータを緻密にとっているのです。
ペンキの塗面は、直線ではないですし、ペンキは乾けば重さも変わるでしょう。
せめて、重さの時間変化なりを取っていればある程度、真値が想定できるのですが、
しないんですね。こちらからすると、永遠に結果にたどり着けないように見えます。
あまりに、几帳面で、全体像が見えていないようでした。

始めは、適当に想像しうる、パラメーターを広範囲に振って実験し、
影響のあったものをピックアップして、絞り込んでいく方が効率よく、
結果に結びついていました。
しかし、周りからは、このやり方こそが、ずさんに見え、評価されない要因に
なっていました。
寧ろ、博士の実験は、ち密に見えることから、”流石博士”と、大絶賛でした。
マイノリティーとして生き抜くには ここに書いた、賢く見えるように、自己プロデュース
すべきだったかというのは、こういうことも含むのです。
でも、此の適当さは、意図したものであって譲れなかったのですが。
ジャパニーズは真面目なので、実験計画法なるものを読んでる人もいました。
想定内での実験計画で効率よく結果が出るかという方法のお勉強です。
材料開発は、”閃きは日本を救う? ”に書いた、ひらめきが大事な気がしていました。
IT系も究極はセンスだと聞きますが、材料の場合は、ずさんなアリのようないい加減さも
研究の初期ほど、多分に必要で、直観もしかりなのです。
ずさんであることの言い訳ではございません。悪しからず。

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残業時間、酒を飲みながら研究し発明発見していた高度経済成長期

はるか上の同僚である先輩たちの話
「昔な、Aさんって研究者おったんや。すごい研究者やったんやけど、
毎日、就業のチャイムなるなり、引き出しからウィスキーだして、
飲みながら実験しててんで」
と、大先輩は、笑って話した。
因みに、一滴でもアルコールが体に入ると、残業代は支払われません。
彼は、”金より酒や”というわけです。
その話を、随分あとになって、別の研究所の人に言うと、
「うちも、おったわ、飲みながら仕事する人。」
うちの会社、チャイムが鳴ると、一斉に、あちこちで、酒を飲みながら研究する人々が
いたようです。
そいう人もいて、世界的競争力が生み出されたという事が、アリにより証明されたってこと
なのです。
そこからいえることは、私たちが、今から、技術力、経済力を取り戻すには、
全員が、ウィスキーを飲みながら研究すべきである????ってことでいいですか?

少なくとも、研究室内の自由度は随分と高かったようです。
自由度と創造力との相関はあるのではないでしょうか。









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