南フランスへぶらっと旅
私の一人旅は、いつも適当。
往復の飛行機と宿を抑えて、あとは気の向くまま
この南フランスの旅は、印象に残ってるひとつ。
地中海沿いには、ニースやカンヌ、モナコ、美しくも優雅な景色が広がり
ゆったりとして、温かい人や不思議な人たちとの出会いがあった。
同じフランスでも、パリとは全く趣が違ってた。
マントン
マントンは、イタリアとフランスの国境沿いの町。
色とりどりの家々が、かわいい街並みを作っている。
ニースに宿泊していて、電車一本で、カンヌもモナコも、ここマントンも簡単に
行くことができる。
ニースには、二度滞在したことがある。
一度は、宿泊費を削って、大通りから奥まったホテル。
二度目は、大通り沿いの部屋から海が見えるホテル。
部屋からの景観は良いに越したことは言うまでもない。特に、ニースの場合は、特に、部屋から地中海を
ゆったり眺める時間も過ごしてほしい。
ニースから電車ですぐ、モナコに到着。
ゴージャスなモナコで興味があったのは、FIコース。
ホテルの前の道路がコースとなる。思ったより狭い。
少し高台から眺めたり、コースを歩いたり、想像を膨らませながら浸ってみた。
また電車に乗り、マントンへ。
国境沿いだから行ってみた。隣はイタリア。
ニースやモナコとは異なり、素朴な街。
海岸に小さな広場とプロムナードがある。
ぶらぶら歩いていると、向こうからジャパニーズらしき女性が。
目が合った。
「日本人?」
雑な挨拶を互いに交わした。
「関西ですよね。」
で、”私、京都””私は、大阪”で、関西弁が解禁になった。
「一人旅?」
と聞くと、彼女のここに至る話が始まった。
「友達と来る筈やってん、でもな、急に仕事はいったって。私、一人旅したことないねん。
ましてや海外やん。もう、泣いたわ。でもな、どうしても行きたかってん、
ロンシャン競馬場。」
競馬場に泣いてまで来たかった人に初めて会った。
それに、ロンシャンはパリ。ここは、はるか南、マントン。
彼女は、フランス競馬のすばらしさを語ったが、私にはわからない。
30分ほど、地中海の景色を背景に関西弁で語り合った最後の彼女の言葉。
「ここ河原町かと錯覚したわ」
Have a nice trip!!
エクサンプロバンス
この旅の目的地は、何となく、エクサンプロバンスだった。
印象派の画家たちが滞在したくらいだから、何かあるんじゃないの?
といういい加減な期待で旅を決めた。
ラベンダーの美しいヴァレンソール高原へは、そこから、車で一時間、
バスでも行けるらしい。行きたかったが、季節は冬、2月。
旅は、ある程度、計画的でないと、残念なことになるという典型。
ニースからエクサンプロバンス(マルセイユ)
電車で行くと、マルセイユで一度、乗り換えなければならない。
ということで、マルセイユも下車して歩いてみようと思い立った。
しかし、近づくにつれ、人の人相が険しくなってきた。
別荘地であるニースや富裕層が住むモナコという偏見と、港町に住む男性の
荒々しさという偏見で理解した。
それでも、どう見ても堅気じゃない人に目をつけられたのだ。
真っ黒のサングラスをし、頭は角刈りだったか?
時折、こちらを見ている。その場を離れようとするも、結構混んでいて移動できない。
怖さはつのり、とうとう頂点に達した。
既に旅程にいれた、マルセイユ観光は消去した。生きて帰れないかもしれない。
怖さで、半泣きだった。
何とか、マルセイユに電車は到着した。乗り換えるにはいったん下車しなければいけない。
其れすら怖かった。
角刈りが、下車するとき、目の前を通った。
存在を隠すようにし、視線も落とした。
無事、角刈りは下車していった。
胸をなでおろしたが、警戒は継続した。
十分距離ができたと判断し、下車した。
その時、離れた距離にいる彼の背中に回ったバックが目に入った。
それは、”ヤンボーマーボー”の黄色の幼稚園かばんだった。
膝から崩れ落ちそうなほど、笑った。声を出さずに。
どこで、手に入れたんだろう。ヤンボーマーボー幼稚園カバン。
意外といい奴だったかもしれない、角刈り
エクサンプロバンス
エクサンプロバンスは、学生の街と聞いた。
おしゃれな、素敵な街。
そこの、インフォメーションで、会った日本人3人でレンタカーして、周辺を回った。
バスもあるが、季節的なものか、本数が少ない箇所があり、車を借りるしかないと判断。
車は、日本とは逆で、左ハンドル右通行、そして、マニュアル車。三重苦。
私が運転したが、海外での運転は初めて。
気が付けば、反対車線に行く怖い運転の中で、セザンヌが描いたサントヴィクトワール山
に向かった。
道路を標識に従って走っていたら、いつの間にか、高速道路だった。
後ろの車が何やら合図を送っている。
一旦止めると、”車から煙出てるわよ”(フランス語)多分こんな感じ。
ハンドブレーキをあげたまま、高速を走っていた。
もう、慣れない運転に緊張しすぎ。
それでも、目的地に着いた。殺風景だったが、セザンヌには思い入れのある場所なのだろう。
サンレミ・ド・プロヴァンス
サンレミ・ド・プロヴァンスへは、周辺の都市からバスで行くことができる。
アルルかアヴィニヨンからバスでと書いてあるが、どちらにも行った。
アルルへは、ゴッホの絵や、ビゼー作曲に「アルルの女」が題材になるくらいだから
余程、女性が魅力的なのだろうと魅力を学びに行った。
残念ながら、特別な女性には合わなかったが、そこには、ゴッホがテーマにした景色が
広がっている。
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アヴィニヨンは、街を囲う城壁が圧巻だった。
バス停がわからず、地面すれすれにある地図の看板と格闘していると、通りかかったイケメン
が声をかけてくれた。しかし、フランス語。好意を無にすることはできない。
身振り手振りで会話するが、伝わらない。
しかし、彼は、諦めないで助けてくれようとした。
何とか、バス停を探しているということが伝わると、道を教えてくれた。
感謝を述べて、バス停に行くと、行先が、全然違っていた。
親切なのだが、ちょっと違うというのは、カンヌでもあった。
優しいパリのタクシー運転手 – にも書いた親切な人はパリにも。
パリでは、空港や、飛行機、公共施設で不快な思いをしたことは何度もある。
しかし、とても素朴で親切な人に出会い、暖かくなる経験をすることも少なくない。
パリでは、これだけではない。シャンゼリゼ通りにある小さなレストランに入った時のこと。
メニューは、フランス語のみ。意味不明。
そうすると、店のおじさんと、お客さんが一緒になって、自分たちのテーブルにある料理や、
厨房から持ってきた食材でメニューを一つ一つ説明してくれたのだ。
楽しく、温かさを感じる空間だった。
結局、自力で無事にバス停を見つけた。
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そして、到着したサンレミドプロバンス。
少し、周辺を散策するなり、ストーカーが現れた。
ご存じだろうか?ケント・デリカットを。
この人が、ついてくるのだ。正確には、常に私の前にいるのだ。
悪い人ではないのは人相で分かる。しかし、いつも前にいるのが、不気味なのだ。
世間的には、私がストーカーの構図になるが。
ケントを撒いてからしか、人気の少ない、目的地である街の奥には行くことができない。
しかし、執拗に前方にいる。
そうこうするうちに、目の前に「ノストラダムスの生家」が現れた。
あの”ノストラダムスの大予言”のあの人だ。
しかし、そんな狭い空間に入れる状況ではない。
諦めて、バスで戻るという選択肢を考え始めたとき、斜め前に警察官が視界に入った。
近づき、説明した。しかし、どうしようもない。フランス語しか通じんらしい。
すると、どうでしょう。ケントは、警察に話をしているのを見て消えたのだ。
何はともあれ、よかったよかった。
街を奥に進んでいくと、ゴッホが、晩年に入院していた病院がある。
そこで、彼は多くの絵を残した。
想像が掻き立てられた。
南フランスの人の親切さや、時にとても個性的な人々、
美しい地中海、ゆったりとした心をもたらす雰囲気、
もし、季節が春や初夏ならば、綺麗なお花畑もそれに加わったでしょう。
疲れてきたら、癒しを求めてもう一度行ってみたい場所です。
年休消化期限と転勤が重なり、まんまと上司を騙して中途半端な2月に休暇を取った時の
旅行だった。プロバンスは、お花の綺麗な所のようで、次は、季節を選んで、少しは
計画を立てて、絵画の知識も頭に入れて訪れたい。
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