競争社会が日本を衰退させた

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バブルの頃には企業内の内部崩壊が始まっていた。


日本企業は、バブル期の企業高業績に反して、内部は崩壊し始めていたという。
入社したとき、廊下を歩く社員たちが、夢遊病者に見えた。覇気のない不気味な集団。
とても、世界に名をはせた一流企業には見えなかった。

A先輩に尋ねた。
「この会社おかしくないですか?」
「あんたの思ってる会社は、バブル始まる5年前には終わってたで。」
先輩が入社した頃には、衰退がはじまっていたという。

下克上を恐れられたが故の窓際

組織に縛られない人は発想も自由


バブル末期ごろだった。
米国企業に一か月ほど出張したことがあった。そこにいたわが社の駐在達の一人と気が合った。まだ30代半ばには見えない彼は、運動神経とは縁がないと思いきや、
「俺さ、節目休暇にさ、スキー場にバイトに行ったんだ。」
節目休暇とは、入社5年ごとにもらえる休暇のことだ。入社10年だと、総計一か月の休みになる。後にも先にも、不満のない給料を手にしていたであろう社員が、ご褒美の休暇にまでバイトするなど、こんな人は初めてだった。日本人は、放置するとこれだけ発想が自由になるのだ。放置とは、彼は、入社10年、会社には属していても、会社に出勤することは殆どなかった。
前半は大学へ出向し、学位を取り、後半は、米国の共同開発契約会社へ出向。

「スキー好きなんですか?」と聞くと、
「おれさ、バイト行ってる間にスキー1級とったんだ。」
想像してみてほしい。彼の頭髪もお腹ももう若者のものではない彼が、あのゲレンデを美しく滑る技術を持っているのだ。それも、短期で習得したのだ。意外にも、程がある。しかし、実は合理的。一級を取るには、それなりの期間滞在が必要。穏やかに見えて、必要な計算はしている。
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アメリカ出張中は、ストレスで、初期には、胃が痛くなったり、トイレで大泣きしていた。そこから解放されたのは、彼から借りる少女漫画だった。仕事中には、好きなクラシックをかけながら、緩く研究。いつも想像を超えた人だった。

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優秀な人たちを恐れる幹部たち


彼の所属先は、ある研究所。そこに、優秀で人望のあるS課長がいた。実は、此のお方、私の転勤前の職場に属していたことがあった方で、伝説の人だったと、聞いたことがあった。兎に角、優秀だったのだ。
「うちにさ、S課長っているんだよ。T大と共同研究してたんだよね。だけど、教授が、何もできないの。仕方ないから、T大の担当分も全部その人がやってさ。wって最先端の製品なんだけど、Sさんが一人で開発したんだよ。」
T大とは、あのT大学だ。

「その後、部長に昇格したんだよね、だけど、そのタイミングで、企画部部長の肩書で、窓際だよ。部屋行くとさ、窓も電話もないんだよ。勿論部下もいない。研究からも外されたんだ。Sさん、「毎日、新聞読みに来てんだよ」ってさ」
下克上を恐れた彼の上司に、潰されたのだ。その後、彼が再起することはなかった。

社内の大先輩と話している時だった。私が見ている技術雑誌を見るなり、
「おう、Yさんや。あれ、Xさんおらんやん。Xさんがこれ発明したんやで。」
ある技術賞を取った時の写真だった。発明者のXさんではなく、アシストしていたYさんがプロジェクトのトップになっていた。

お腹の出た、少女漫画を貸してくれる先輩によると、
発明者は、上市早々の赤字でプロジェクトから外されるのが多いという。上市してすぐに、黒字になることはほぼない。
発明者は、上層部の人々にとって、脅威らしい。S課長と同じ構図だった。

”団塊の世代”の害というのをよく耳にした。ベビーブームで、同級生の多い世代だ。それ以前の世代は、話で聞くことでしか知らないが、その範囲で感じるのは、団塊の世代は明らかに前の世代とは異なる。彼らも気の毒なのだと思う。競争を強いられた世代だから、どこか、中身がない人が多い。見ていて、勝つことがいつも念頭にあり余裕がない人たち。私も、散々被害にあった。部長の立場で、まだ、入社5年程の社員に、私的なことで、嫌味をぶち込んでくる。口が立つ私は、ぐうの音も出ない言葉でやんわりやり込めた。これが、マイノリティーとして、生きにくくしたのだろうが、言ってきたのはむこうなのだ。上司による成果の横取りも日常だった。マイノリティーとして生き抜くには 参考までに、ここに、反省も込めて、書いた。
彼らが、管理職となったのが、日本企業にひずみが出てきたタイミングだ。

そして、経済が豊かになるにつれ、新たな競争が始まった。
受験戦争、偏差値教育だ。この害は、Critical thinking –に書いたが、結果的に思考力の低下を招いている。受験適応性を追求することが、効率的に受験勝者になる。この教育システムに、思考力を養う余裕はない。

日本企業の強みだった技術の伝搬は消えた


互いの転勤、転職などがあり、A先輩に、久し振りにあった時のことだ。近くに居たときは、建設的な会話に繋がらない愚痴を言ったことはなかった。初めて、愚痴らしい愚痴を言った。成果を上司や同僚に取られていたことを話したのだ。すると、
「あいつ、あんな特技あったんやな。」
と言われた。搾取を特技という先輩の皮肉だ。
一息ついて、つづけた。
「言うとくな。おれな、部下に仕事教えへんねん。あいつが成長したらどうなる?おんなじ給料やったら、安い方とるやろ?自己防衛や。」

それまで、守っていた日本の終身雇用は、技術の伝搬を守ってきたのだ。リストラが、全てを終了させた。

冴えない総務が実は、スーパーアシスタントだった。


終身雇用のデメリットをよく耳にする。”仕事せえへん年寄りが高給取っとる。”彼らも、若いときは給料が安かったのだが。

初めての職場で、総務に冴えないおじさんがいた。彼は、毎日、何種類もの、工業新聞の切り抜きを掲示板に貼ってくれていた。
廊下を歩いていた時に、ふと足を止めて、息抜きに掲示板を見ていた。転勤して初めて気づいた。それによって、常に最先端技術の情報の知識を得ていたのだ。


新たな職場には、それまで当たり前と思っていたものがどこにもなかった。そこにいるのは、前の職場よりも、いわゆるエリートたち。しかし、彼らの、先端技術に関する情報の範囲は彼ら自身の仕事の狭い範囲にとどまり、他の分野の先端技術の知識は皆無に近かった。


また、その冴えないおじさんは、すくない予算の中で、休憩室に、全学会誌を揃えてくれていたのだ。
珈琲を飲みながら、他分野の学会誌に目を通しヒントを得ることは少なくなかった。
彼は、研究所のスーパーアシスタントだったのだ。

皆がプロだった


工場に行くと、現場に溶接工の年配の社員の方がいた。皆、プロだった。職人の域に達していた。質問には、論理的に答え、教えてくれた。誰からも、学べるのが終身雇用のメリットだった。誰もが、自分の仕事に誇りと責任を持っていた。先輩は、人が変わったのではなく、環境がそうさせたのだ。リストラもその一つ。そうして、技術の伝搬がなくなり、技術が衰退していった。

競争は、切磋琢磨の場合にのみ有効なのだと思っている。互いへの尊重尊敬がそこにはある。
日本社会に渦巻く競争は、足を引っ張ろうとする妬み嫉みのエネルギーが相当強い。
そのエネルギーは、自身の成長の妨げにはならないのだろうか?
終身雇用や横並びという安心があるだけで、自分の仕事に集中できる。そして、それが創造や発明に繋がり、周りも自然と士気が上がり、いい意味で切磋琢磨の競争が、当時の日本を創り上げていたのだ。横並びが不公平だというなら、研究や技術者なら、特許使用料という形で報酬をアップすることは可能だった。そもそも、横並びが、不公平だというなら、リストラが開始してからの企業業績が下がった理由を説明してほしい。それとも、リストラのお陰でこれで収まっているとでも?
日本においてリストラは、経営の失敗である筈である。
しかし、経営陣は責任を取ることなく、経営効率化と称して、人員削減を実行する。
彼らは責任を取ることはない。
リストラが始まり、製品の品質が落ちたと聞く。
これこそが、日本的経営から乖離した結果なのだ。
そして、受験戦争やリストラが日本社会の衰退を招いていると、確信している。

安定が創造性を生む


競争よりも安定した環境が、個々の創造性を発揮させる。個人の経済力を追求するのなら、起業する道もある。
教育の競争程、無駄なものはない。競争で犠牲になるのは、好奇心。向学心を促進する原動力となる好奇心が犠牲になるのだ。
何のための教育なのだろう。競争心を子供に植え付けるのは害でしかない。日本人は、常に人をジャッジし、自分と比較する。
それは、本質ではなく、競争により植え付けられたもの。競争は、日本には合わないのだ。

自分の世界を生きる若い人たち


受験戦争に巻き込まれてきた世代にとって、少々羨ましいニュースが耳に入るようになった。
将棋の藤井聡太棋士やMLBの大谷翔平選手など、少し前よりも、常識にとらわれない、
そして、成功している、若い人たちの話を耳にするようになった。
この日本の衰退を目の当たりにし、社会のシステムに依存しない自由な人々。
彼らを見習い、今からでもそうありたい。
もし、ゲームや数学が好きなら、プログラミングのオンラインスクールCodeCamp
にチャレンジする価値があると思っている。いや、プロゲーマーの道もある、数学者の道も。
国籍問わず自由に生き、そして活躍できる分野は、IT系が圧倒的に多い。

アニメーターは、日本では自給が低いと聞く。それは、業界のシステムの問題であり、
例えば、中国では給料は倍になるという。

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そして、若い人々よ、本来の日本に戻った時は、戻ってきておくれ!!


スキー1級の少女漫画を貸してくれた先輩とある学会で偶然に再会した。
体形は、相変わらず立派なお腹だったのですが、頭に、髪の毛を模したお帽子を
かぶっておられたのです。
先輩は、先輩のままで小さいことは気にせずいて欲しかったな。
と思ったのもつかの間、財布から出した、奥様の写真。
とてもきれいな方で、先輩も会社を辞め大学助教授に転身されていました。
相変わらず自由奔放で、やさしい先輩にホッとしました。
組織に、調教されていない人はどこまでも自由で幸せに見えた。

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