神々しいアルプスの山々

誰もが、浄化され心が解放される景色や場所、自分だけのパワースポットが
あるのではないでしょうか。
私は、近くに山や川を見て育ちました。
大阪なので、大した山ではないですが、それでも、原風景は特別なもののようです。

アルプスの山々への憧れは、新田次郎氏「アイガー北壁」を読んでからです。
新田氏の山岳小説は、引き込まれ読みつくしました。
ブログ”孤高の人:新田次郎著 ”にも書いています。


初めて、スイスに行った時のこと。
ローザンヌは、レマン湖の畔にある街。
本来なら、眼下にレマン湖、遠くにアルプスが見える美しいところ。
しかし、この日の空は薄雲がかかりアルプスはどこへいったの?
街からレマン湖までは、少し歩く。
知らない街をぶらぶら歩くために旅に出ているようなもので、気にならないが、
近いとは言えなかった。
湖畔にたどり着いても、レストランは開いていない。
そろそろ夕食の時間、湖畔を散歩しながら、レストランが開くのを待っていた。
近くには、ホテル Rivage Hotel Restaurant LutryBest Western Plus Hotel Mirabeau
が見える。素敵なホテル。
今度来たときは、ここがいいなと思いながら、ぼーっと湖を見ていた
やがて、日が落ち始め、空が夕日を反映し、少しづつ色づくようになっていた。
空の赤色がごくごく薄かったものが、次第に濃くなってくるにつれて、
何か、空に浮かび上がってきた。
こんな空高くに何があるというの?
じっと見つめていると、山の輪郭が表れてきた。
モンブランだった。
それはそれは、とても神々しいものだった。
時折、山には、特別な山には神様が住んでいるに違いないと思う事が時折あった。
そして、海外で見る初めての神の宿る山、モンブラン。
夕日に反映される景色はどれも美しい。
ここで、主観が入るのかもしれない。
夕日に反映する山は特別、美しく神々しい。
そして、この時の旅に、モンブランは予定に入っていなかった。
それもあり、感動は一入だった。

この時以来、スイスに行くときは、モンブランにも行くようになりました。
スイスアルプスからは、少し離れたフランスはシャモニーを起点とするモンブラン。
シャモニーの駅を少し行くとインフォメーションがある。その前が小さな広場になっている。
そこから見える、モンブランさえ神々しい、夕日はなくても。
ハイキングをしつつ、モンブランに近づいていく。
更に、モンブランの懐に包まれ、癒されていく。
多分誰もが同じ感覚を味わうわけではないと思う。
こういう自分だけの場所を見つけるのも、旅の醍醐味かもしれない。
名残惜しくも、シャモニーを去る日がやってきた。
この時は、線路はあるのに電車が走っていない。
面倒だったが仕方がない、バスを乗り換えスイスへ向かう。
駅で、バスチケットを買い時間になったので、駅前でまっていた。
待てど暮らせどバスの気配はない。
そこへ、やってきたタクシーの運転手。
不気味に笑ってる。
「バスの時間14時やで、」
実は、何を言ってるかはわからない。多分これ。
「いや、12時みたいなんですけど、バス来ないんですよ」
通じただろうか。こんな感じで伝え、チケットを見せた。
すると、にやけた顔が、本格的に笑ったのだ。
「これ、4やで2やない」
フランス人の書く4は日本人にとっての2だった。
いや、見間違えかもしれない。しかし、わかりにくい。
おじさんのおかげで、不安になっていた時間が終わった。
今は電車で3時間程度らしい。

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スイスに行く別の機会があった。
時折、湖や川も恋しくなる。
そして、再びレマン湖畔へ。
この時は、利便性で、モントルーにホテルを取った。
駅から近く、バルコニーもある。
ホテルは、Grand Hotel Suisse Majestic

不満を言えばバルコニーが小さいことだったが、そこからの景色は言葉にはできない。
残念ながらこの時は、天気も良く、ローザンヌで見たような感動的な場面はなかったが、
狭いバルコニーでも、ただ景色を見ているだけで幸せだった。
モントルーはぎりぎり南だったように思う。
そこから、北にある街なら、湖とアルプスが望める筈。
レマン湖の北にある街で、湖を見おろすことができれば、正面にアルプスも見えて絶景の筈。

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神様がいるに違いない海外の山は二つあって、もう一つは、アイガー。
その日の宿泊は、メンリッヘンの山頂にあるホテル
ベルクハウス メンリッヒェン グリンデルヴァルト (top-hotels-switzerland.com)
早朝に、ロープウェイで上がり、ホテルに荷物を降ろし、ロープウェイで下り、
ハイキングしていました。

下界の喧騒に疲れて山にこもりたいというだけで、ここに宿をとったのでした。
今思えば、勿体ないほど素晴らしい立地。
ただ泊まるだけとは、自分に残念。
目の前に、圧巻のアイガー北壁。まさに、本に書いてあった滑落シーンはこの辺だったのかと
想像できるほど近くに迫っています。
ただ、どこにいても、景色が素晴らしいのです。特別な場所なんてないほどに。
ハイキングを満喫しているうちに、時間も遅くなり、時計を見ると、ロープウェイの最終時間
夕方5時頃に近づいています。
ロープウェーは、グリンデルワルトの隣の駅グルントから乗ります。
着いたのは、4時過ぎ。間に合いました。
この時(優しいパリのタクシー運転手 )を除いて、旅はいつも時間に余裕を持って動きます。
しかし、ロープウェイは動いていない。今日の営業は終わりましたとな?
聞いてみても、驚いた顔のまま、終了としか相手も言えない。
駅に戻る途中、時折人がこっちを心配そうに見ている。
何なん?何で?
あと残る手段は、電車でクライネシャイデックまで行って、歩くしかない。
この時間からハイキングするとは、ちょっと怖い。
急いで、電車に飛び乗った。
日は少しずつオレンジ色に染まり始めている。
近くにいたお客さんに、日の入り時間を聞いた。
わからないと言いながら、心配そうにこっちを見ている。
駅員さんがやってきた。彼に同じ質問をした。
「6時半」
彼の顔はとても険しい。
「今からどこ行くの?」
「ベルクハウス メンリッヒェンに」
2342Mのメンリッヒェンの山頂付近にあるホテルだった。
「ホテルは予約してるの?」
顔はますます険しくなっていた。
「はい、朝に持つおいてきました。」
「置いてきたていった?もうチェックインしたんだね。」
まあ、私の英語の時制を再確認されました。
彼は、心配な顔したまま少し安堵を見せ、仕事に戻っていきました。
30分くらい乗ってたでしょうか、クライネシャイデックに着きました。
さあ、こんな時間に今から山登り。
歩いている人は周りにいません。すれ違う人も一人も。
救いは、森林限界を超えていて、視界を遮る植物がなかったことです。
朝、寄ったとはいえ、この道のどのあたりで、どのくらいでつくのかわからない。
しかし、行くしかないのです。


一度、乗鞍岳に夕方上ったことがありました。
それでも、3時半くらいだったと思います。
すれ違う人は降りてくる人ばかり。
バイクを、駐車場に止め軽い気持ちで登りはじめて、早くも後悔。
頂上に着いた時には、犬を連れたおじさんと二人きりでした。
怖さが頂点に達していました。
その時です。そのおじさん、犬に話しかけてるのです、フランス語で。
正常な時ならなんてことはないシーンですが、この緊張感ではち切れそうなときに、
フランス語で犬に?はあ?日本人やんか、何で?
その時です、もっと怖いことが起こりました。
「写真撮りましょうか?」
もう、怖さが沸騰してしまいました。
「いえ、結構です。」
今考えると、品のいいおじさんというか、お兄さんで素敵な人だったのです。
その方の親切を脅威に感じるくらい夕方の山を怖がる私という話でした。


中途半端に人とすれ違うのは怖いし、人がいないのも怖い。
日が落ちきるまでに、ホテルに着くだろうか。
そんな泣きそうになっていた時でした。ふと振り返った時にみた夕日に照らされたアイガー。
神様に見守られ包まれている不思議な感覚を覚えたのです。
多くの人の命を奪った、アイガー北壁が見守ってくれているのです。
怖さが消えてなくなり、幸せの中、ホテルが見えてきました。
其うち、日が落ち暗闇が訪れた中、ホテルに到着しました。
中に入ると、驚いてみんなが私を見ています。
ホテルの女性が、近づいてきて、何やら話しかけています。
「夕飯お願いしていいですか?」
「もちろんよ。」
予約していなかった夕飯も用意してくれるようです。
まだ何か、話しかけています。
何かおかしい。時計を見ると9時半になっていました。
私の時計が狂っていたようでした。
時計は、旅行の前に新調したものでした。
スイスを出てパリに行くと時計は正常に戻っていました。
気圧が影響していたのかもしれません。
もう、あんな怖い思いはしたくはないけれど、時計のアクシデントのおかげの経験でした。

アルプスはどこにいても、どこを歩いていても、心癒されるところです。
そして、次に行くときも、モンブラン(シャモニー)とホテルベルクハウス メンリッヒェンに泊まり、アイガーのそばに行くでしょう。私にとって、とても特別で神聖な場所でした。

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