フローから考える教育

ギフテッド教育から考えること では、好奇心をモチベションにした教育の有意性についてについて書きました。それは、自身の経験からのものではあったのですが、哲学者デューイも同意見でした。(ちょっと上から目線になってますが)

別の視点から、没頭し成功に導く状態をフロー状態と名付け、研究した心理学者ミハイル・チクセントミハイ成果はフロー状態から)を、このコンテンツで紹介しました。
課題の適切な難易度と夢中になることがフロー状態には、必要であると結論しています。
このフロー状態を導く方法は、教育にも参考になるのではないでしょうか。結局は、子供の好奇心が鍵なようですが。

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フローに至る条件


1.直接的で即座のフィードバック
2.成功する可能性があると信じる(明確な目的, 予想と法則が認識できる)
3.経験に夢中になり、他のニーズが無視できるようになる
4.適切な難易度

ここで、子供の教育で問題になるのは、3と4です。2のような将来への不安は、大人のもので、過去の経験の記憶からくるものが大半です。1は、子供の好奇心の範囲で、そんなにフィードバックに時間がかかるものは少ないでしょう。

夢中に導く動機


勉強する目的として、勉強が面白い、知的好奇心がポジティブな価値として考えられますが、実際には、今、他者との競争や高偏差値への挑戦、親の期待があるのではないでしょうか。
一般的な動機について、必ずしも否定されるものではありませんが、ストレスが同期しフローに導くのは困難ではないかと想像します。
一方で、好奇心を動機とする場合、フローに到達する、面白くて夢中になる状態がやってきます。後は、好奇心が学びを導きます。

フローに必要な適切な難度


これが、厄介なのです。私たちには、個性があり、好奇心の方向も異なれば、成長の度合いもそれぞれです。それを、年齢が同じだからというだけで、一斉に黒板に向かって座らないといけないのです。公立小中学校の進度は、平均より低めと聞きました。この授業で、好奇心を発揮させ優位に参加できるのは、平均的もしくはやや低めの生徒ということになります。それよりも、発達が早すぎても、遅すぎても不利なのです。早すぎると退屈から、無気力に陥ります。恐らく、ギフテッドと言われる、高IQの生徒たちの抱える悩みではないでしょうか。また、成長が遅い生徒は自信を無くし、諦念感を持つかもしれません。


子供の持つ、好奇心を育てるのは、学校ではなく、各家庭に委ねられているのが現状です。そして、そうして育った子供は、学校の要求する学力的にも優秀な子供もいますが、大抵は、そうではないようです。学校の試験には、適応性が求められます。例えば、センター試験の現代国語で満点を取った友人が言うには、”正解はわからんけど、何を答えさせたいかはわかるやん”と。わからへんて。。。😭
文部省が、教育をどうとらえているのか、わかりかねています。自分たち官僚が学歴成功者でありこれを更に進めることが正しいと考えているのか、日本人を潰してしまおうと考えているのか、どちらなのでしょう?何れにしても、国が真の教育に関心がないことから、家族の双肩にかかってきます。学校教育に沿った優秀者に育てるのなら別ですが。

日本では、子供の能力を伸ばすには、親も覚悟が必要


好きなことがありそれを深めていくのであれば、環境も必要かもしれません。
”さかなクン”は、母親が、彼の魚への愛を育てる手伝いをしたようです。珍しい魚を食べたいと言えば、料亭で食事をしたり、タコの研究を始めれば、毎日食卓にタコ料理が並んだそうです。また、言葉を持つ鳥を発見し、世界から高い評価を受けている研究者、鈴木俊貴氏は、大学は東邦大学、立教大学院そして東大助教、今は京大の特定教授をされているそうですが、子供の頃は、母親が彼の好奇心を育てたことが、この記事に記載されています。東京から関東の地方に引っ越しし、彼の生き物への好奇心を育てる環境を整え、ターニングポイントとなる言葉をかけておられたようです。ただ、他人事だから客観的に見えるだけで、いざ私事となると、レールに乗れるのに、態々そこからドロップアウトしてまで、好奇心の赴くままに生きている子供を傍で見ていることができるかとか、せめて人並みに勉強できてほしいとか思う可能性を考えると、親も相当な覚悟がいるように思います。ただ、日本の教育で評価された学力が、海外で評価されるかは疑問で、実際に、日本の大学の世界的評価は下がり、寧ろ中国韓国の大学の方が評価は上なのです。教育の失敗を認めない国は、更に暴走街道を突っ走っています。漢字の”はね”が適切でないから✖とか、2×3ではなく3×2が正解とか、理解してるかどうかではなく、教えた通りにできているか、従順性を確認するテストになってきているようです。因みに、私も高校の古文で、参考書でテスト勉強したため、全て✖だったことがあります。それは、その先生の個人的なやり方でしたが、今は、教育委員会もしくは文部省が指導していることなので、恐ろしいとしか言いようがありません。日本はどこへ行くのでしょうか。

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終わりに。。



嫉妬という感情は最も嫌なもので、自尊心を自ら貶めるものです。学生の頃から、この感情を封じ込めるべく、同世代で素敵な人がいると、相手を嫉妬するのではなく、向上心への動機にすり替えプラスに転化し、自己の成長に結び付けてきました。しかし、唯一、封じ込めることができない嫉妬が、早々に、好きなことを見つけ夢中になっている子供たち。そして、存分に自分の能力を開花させている人たち。大谷翔平選手や藤井聡太棋士などなど。彼らが、早くに好きなことを見つけ、夢中になっていた時間に、自分はぼーっと生きていたかと思うと残念で。。。

一方で、子供の頃に、好きなことや、夢に早々に挫折し、悩み葛藤しながら、成人して見つけたフィールズ賞を受賞した数学者もいます。

全員を官僚に育てる必要もなく、官僚が優秀であるなら、この国がここまで体たらくにはなっていないわけです。国に期待できない今、子供の好奇心に委ねるのも、いいチャンスかもしれません。昔なら、いい大学に行けばいい会社には入れてというので、何となくいい大学を目指す価値は少なからずありましたが、今はありません。また、そのいい大学の質も落ちているのですよ。
背水の陣で、いいチャンスと言ってみました。


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