バブルの頃のフランス料理
フランス料理は重かった
バブルの頃、日本人はこぞって海外旅行に出かけた。
私が、初めてフランスに行ったのもその頃だった。
その時、10日ほどの日程だったのだが、前半パリで、後半スイスに行った。
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一度だけ、フランス料理のコースを注文したが、殆ど食べることができなかった。
スイスに着いた時、すでに、胃が重くなり食欲がなくなっていた記憶がある。
日本でも、大枚をはたいて、フランスで修行したという本格的な料理人の店に行ったが、同じ
だった。
注意:関西人は特に薄味らしい
薄味を食しなれた関西人である私だから、余計にあの濃すぎる味付けは厳しすぎた。
九州の南方の病院に、入院したことがある。
そこの病院食が、とてもおいしかったのだ。
食べなれた、関西の味。
煮物などは、病院とは思えないほど完璧な味付け。
初めての病院食、味が薄く味気ないものと覚悟していたが、デザートに珈琲ゼリーまで
ある。
病院食が、こんなに楽しみなものなのかと思っていた矢先だった。
同室の地元の年配の女性。
「味、うすいわ、なんの味もせん。醤油持ってきたらよかった。」
というではないか。
この土地の、素材は、大阪では味わえないものばかり。
特に、地鶏などは、レバーを生で食することができるのです。
それも、臭みもなくおいしいのです。
そこまで、執着しない鳥の唐揚げでも、この土地のものは、
帰るまで待てないくらいおいしいのです。
しかし、この土地の人は、それだけでは飽き足らず、南蛮漬けにし、
タルタルソースまでかけるという、フランス料理に負けずとも劣らない
仕上げをかましてきます。
まあ、それも、おいしいのは事実なのですが。
よって、ここで言う日本人というのは、関西人である私個人の意見で、
何らフランス料理に、挑戦する気はないというのは、お見知りおきいただきたし。
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フランスに行った同僚が経験した”マキシムドパリ”
フランスに行って初めて、日本で食するフランス料理は、多分に、
日本人用にアレンジしてあるもので、別物だと理解した。
同じ時に、パリに行った同僚は、有名な店、”マキシムドパリ”に行ったいう。
しかし、殆ど、食べることができなくて、帰りにラーメンを食べたと言っていた。
繰り返すが、彼女も大阪人だったことを付け加えておく。
やはり、少なくとも、2例ではあるが、大阪人には厳しい料理だったのだ。
まだ、日本食が、海外で今ほどの評価を受けていない時。
フランス料理がわからない=味音痴と思われやしないかと、大きな声では言えないが
同僚と小さな声で言った記憶がある。
”フランス人、味覚おかしいんちゃう?”
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南フランスのレストラン
10年程して、南フランスに行った時、田舎町にある、三ツ星レストランに行ってみた。
小さな店だけれど、スタッフは黒服で、マフィアの出入りのような緊張感。
失礼、表現がよくない。
隅々までが、洗練され、一人一人のスタッフがすべてプロフェッショナル。
雰囲気は、完璧。
事前に予約したからか、前菜が、御造りにワサビのムースが出てきた。
勿論、おいしかった。
どちらかというと、日本料理をフランス料理に寄せた感じだった。
看板が、フランス料理ではなく、アレンジ料理だったかもしれない。
あの執拗な、バターやらなにやらのしつこさが全くなくなっていた。
デザートは、食べ放題。みんな、ケーキや、パフェを3つは食べていた。
シェフは、フランス料理を習得し、日本へ料理の勉強に行ったという。
フランス人は元より、近隣国の人々にも人気の店という。
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フランス人シェフの間でも、日本料理が見直され。。
その数年後、パリで日本人シェフと話をする機会があった。
日本料理が見直されて、フランス料理のシェフも日本料理を勉強する人が出てきてると。
あれから、随分時間がたった。
日本料理は、海外では高級料理に、いや、うどん屋まで進出。
そう、日本人であり、関西人の味覚は、味覚音痴などではなかったことが、
証明された。えっへん。
フランス風にアレンジしているという話も聞かなくもないが。
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![](https://www13.a8.net/0.gif?a8mat=3NAPA6+1YULRM+4R6I+609HT)
日本人の創造力
日本人の創造力は、芸術や料理の分野では、益々、世界に羽ばたいている。
工業にも、その潜在能力はある筈。
個々の能力が開花する環境が整えば、復活できる筈なんやけど
歯がゆい。
バブルの頃の日本の隆盛をふと思い出す。